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Column / Insights

AI活用の考え方読了目安 約10分

AIの最新ニュースを毎朝自動で集約する仕組みを、n8n × OpenAIで作った

移り変わりの速いAIの最新情報を人手で追い続けるのは大変です。この記事では、n8nとOpenAIで主要なAIニュースを自動収集し、7カテゴリに分類・要約して毎朝メールで届くダイジェストを作った実例を紹介します。情報源を後から増減しやすくする運用設計まで解説します。

AIの最新ニュースを自動で収集し、AIが分類・要約して毎朝メールダイジェストとして届ける流れを表した3Dイラスト

AIの進化は速く、公式発表・論文・競合の動きを人の手で追い続けるのは、現実的にかなりの負担です。「気づいたら重要なモデル更新を見逃していた」ということも起こりがちです。

そこでShift Forwardでは、主要なAIニュースを自動で集め、AIに内容を読ませて分類・要約させ、毎朝(と夕方の1日2回)メールで受け取る仕組みを作りました。人が情報を探しに行くのではなく、必要な情報が向こうから届く状態にしています。

この記事では、その構成と、あとから情報源を増やしたり減らしたりしやすくするための運用設計を、社内で実際に動かしている実例として紹介します。

この記事で作るもの

作ったのは、毎朝9時と夕方18時(JST)に主要なAIメディア・公式ブログ・論文フィードを自動で収集し、AIが内容を読んで7つのカテゴリに分類・要約し、重要なものだけをメールのダイジェストとして届ける仕組みです。

使ったのは、n8n(ワークフロー自動化ツール)、OpenAI(記事の分類・要約)、Gmail(配信)の3つです。社内で別途動かしているAI秘書エージェントとは切り離し、独立したワークフローとして運用しています。

毎日 9:00 / 18:00(JST)
    → RSSで記事を収集
    → AIで分類・要約
    → メールでダイジェスト配信
n8n上で独立したワークフローとして動くAIニュース配信
秘書エージェントとは別の独立ワークフローとして運用している

なぜ「情報収集の自動化」なのか

AIの情報は、量が多いだけでなく、追う目的が人によって違います。経営の場で話せるネタが欲しい人もいれば、研修で使える事例を探す人、受託開発に効く技術を追う人、法規制の動きを押さえたい人もいます。必要な切り口は、人によって驚くほど違います。

だからこの仕組みでは、単に記事を集めるだけでなく、「それが自社の事業のどこに効くか」という視点で仕分けさせています。ここが、普通のRSSリーダーと違うところです。集めることより、仕分けてくれることに価値があります。

情報収集の自動化で本当に効くのは、「集める」部分ではなく「自分にとって重要かどうかを判断して仕分ける」部分です。ここをAIに任せられると、情報の洪水が毎朝のダイジェスト1通に変わります。

どこから情報を集めるか

情報源はRSSを中心に、次の顔ぶれ(合計11フィード)を登録しています。認証が不要で仕様が安定しているRSSは、こうした自動収集の土台として一番扱いやすいからです。

ソース主に効くカテゴリ
公式ブログ(Anthropic / OpenAI / Google AI / AWS ML)モデル更新・技術
論文フィード(arXiv cs.AI)受託・エージェント技術
国内メディア(ITmedia AI+)経営者向け・研修ネタ
プレスリリース(PR TIMES)競合・市場動向
技術コミュニティ(Qiita:AI・LLMの2フィード / 海外はdev.to:AI・MLの2フィード)研修ネタ・技術

一方で、X(旧Twitter)は公式RSSが廃止されていて、安定して取得するのが難しいため今回は見送りました。どうしても必要なら有料APIを使った別設計が要る、というのが正直なところです。まずは確実に取れるところから固めるのが、こうした仕組みを長く運用するコツです。

全体の流れ

n8n上のワークフロー全体は、次のようになっています。左から順に、スケジュールで起動し、情報源の一覧を読み込み、RSSを収集し、AIで分類・要約し、ダイジェストを整形してメールで送る、という一本道です。

AIニュース集約ワークフローの全体像(n8nの画面)
収集→分類→整形→配信までを1本のワークフローにまとめている

収集は「過去48時間以内・1ソースあたり上限あり」で絞り、AIに渡す件数が増えすぎないようにしています。

AIで7カテゴリに分類・要約する

集めた記事は、AIに読ませてA〜Gの7カテゴリに振り分け、あわせて重要度・3行要約・「どう使えるか」のヒントを付けています。

カテゴリ主な読者・使いどころ
A 経営者向け経営層に話せるAIの動き
B 研修・講座ネタ研修や講座で使える事例
C 受託・エージェント技術受託開発・AIエージェントに効く技術
D 主要モデル更新OpenAI・Claude・Gemini・Bedrock等の更新(最優先)
E 法規制・ガイドライン官公庁・法制度の動き
F 競合・市場動向競合サービス・市場の動き
G 自社発信ネタ自社のHP・SNSで発信できそうな話題

ポイントは、AIに項目名の決まった形式(JSON)で結果を返させることです。カテゴリ・重要度・要約を決まった形で受け取れると、後段のメール整形がとても楽になります。さらに重要度で足切りして、宣伝色が強い記事や内容の薄い記事はダイジェストに載せないようにしています。

届くダイジェストと読みやすさの調整

毎朝・夕方に届くメールは、カテゴリの見出しごとに要約が並ぶダイジェストです。実際に運用してみると、最初は件数が多すぎたり、レイアウトが縦に長かったりしたので、重要度での絞り込みを強め、横幅を使ったレイアウトに直し、絵文字を減らして落ち着いたトーンに整えました。

実際に配信されるAIニュースダイジェストのメール。カテゴリ見出しごとに、重要度・要約・活用ヒント付きの記事カードが並ぶ
実際に届くダイジェスト(一部)。カテゴリごとに重要度・3行要約・活用のヒントが並ぶ

宛先は1人でも複数人でも配信できます。社内で共有するなら、代表アドレスをToにして残りをBCCにすると、受信者どうしにアドレスが見えない形で配信できます。

自動化は、動き始めてからが本番です。実際に毎日受け取ってみて、多すぎる・読みにくい・ノイズが多いといった手触りを見ながら、閾値やレイアウトを調整していく——そこまで含めて運用です。

情報源を後から増減しやすくする

最初は情報源をコードの中に直接書いていました。ですが、これだと追加・削除のたびにコードを開いて編集する必要があり、運用が続くほど負担になります。

そこで、情報源の一覧を専用の設定枠(ノード)に「外出し」しました。今は一覧に1行足すだけでソースを追加でき、各ソースの有効・無効フラグを切り替えるだけで一時停止もできます。ロジックのコードには一切触らずに済みます。

あわせて、ワークフロー上に付箋を貼り、「どこで情報源を管理しているか」「各ノードが何をしているか」を後から見ても分かるようにしました。

こうした「自社の業務そのものをAIと一緒に組み立てていく」進め方は、Shift Forwardの日常です。ツールの使い方を知っているだけでなく、実際に自分たちの業務で回しているからこそ、同じ考え方をお客様の業務にも持ち込めます。

どう作ったか——Claudeへの伝え方

ここまでの仕組みは、ワークフロー自動化ツールのn8nと、AIのClaudeに「やりたいこと」を言葉で伝えながら組み立てました。プログラミングよりも、何をしたいかを言葉にできることの方が効いています。先ほどの全体図に貼られた付箋(各ノードの説明ラベル)も、Claudeが内容を整理して書き込んだものです。

最初のきっかけは、これくらいの一言でした。

AIの最新情報を常に見張って、
  勝手に情報を集約してくれる仕組みを作りたい

ここから、「情報源はAnthropicやOpenAIの公式ブログ、arXiv、国内のAIメディアなど」「集めた記事はAIに読ませて“経営者向け”“技術”“モデル更新”などのカテゴリに分類・要約して」「重要なものだけをGmailでダイジェストにして」と、必要なことを普通の言葉で足していくだけで、形になっていきました。

出てきたものを見ながらの微調整も、会話で頼むだけです。

  • 「件数が多いから、重要なものだけに絞って」
  • 「メールの絵文字を減らして、落ち着いたトーンにして」
  • 「情報源を後から増やしたいから、どこを触ればいいか分かるようにして」

この最後の「どこを触ればいいか分かるように」と頼んだ結果が、全体図に貼られた付箋です。Claudeがワークフローの図の上に、各ノードの役割や編集方法を書き込んでくれました。

慣れてくれば、条件を最初からまとめて一度に渡すこともできます。たとえば次のような指示文をそのまま渡せば、この仕組みのたたき台はほぼ一発で組み上がります。あとは前述のように、出てきたものを見ながら微調整するだけです。

n8nで、AIの最新情報を自動で集めて毎朝メールで届く仕組みを作ってください。

  ■ 情報源(RSS)
  Anthropic / OpenAI / Google AI / AWS ML の公式ブログ、arXiv(cs.AI)、
  ITmedia AI+、PR TIMES、Qiita、dev.to

  ■ 実行タイミング
  毎日 朝9時と夕方18時(JST)

  ■ やること
  1. 上記のRSSから過去48時間以内の新着記事を集める
  2. 集めた記事をAIに読ませ、次の7カテゴリに分類して3行要約と重要度を付ける
     A 経営者向け / B 研修ネタ / C 受託・エージェント技術 / D モデル更新 /
     E 法規制・ガイドライン / F 競合・市場動向 / G 自社発信ネタ
  3. 重要度が高い記事だけを、カテゴリ見出し付きのダイジェストにまとめる
  4. そのダイジェストをGmailで送信する

  ■ 運用しやすくする工夫
  ・情報源の一覧は、あとから追加・削除しやすいように専用ノードへ外出しする
  ・各ノードに役割や編集方法を説明する付箋を貼っておく
完璧な仕様を先に固めるより、「やりたいこと」を普通の言葉で伝えて、出てきたものを見ながら直していく。ここまでの仕組みも、その積み重ねで形になりました。

運用の注意点

便利な仕組みですが、長く運用するうえで押さえておきたい点がいくつかあります。

  • RSSのフィードURLは変わることがある。変わるとそのソースだけ取得0件になるので、たまに取得状況を確認する
  • 1日2回動かすと、朝と夕方で同じ記事が重複することがある。既出URLを記録して照合する処理を足すと重複がなくなる
  • AIの要約は便利だが、重要な判断に使う情報は、必ず一次ソース(公式発表など)を自分で確認する
  • 自動実行のきっかけ(トリガー)の時刻や日付の表示は、タイムゾーンをJSTで統一しておく(ずれると配信時刻や日付表記が狂う)

とくに最後の「一次ソースの確認」は大事です。ダイジェストはあくまで入口で、経営や開発の判断に直結する情報は、原文にあたる前提で使うのが安全です。

まとめ

  • 主要なAIニュースを自動収集し、AIで7カテゴリに分類・要約して、毎朝メールで届く仕組みを n8n × OpenAI × Gmail で作った
  • 単に集めるのではなく、「自社の事業のどこに効くか」でAIに仕分けさせるのが核
  • 情報源は専用ノードに外出しし、付箋も添えて、後から増減しやすい運用設計にした
  • こうした業務の自動化そのものを、AIと一緒に設計・構築して社内で回しているのがShift Forwardの実際の姿

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